君が好きだから僕は書く

恒松エントのブログとエッセイ

幸せは生活の中にある。嵐は幸せを問いかける。/ARASHI LIVE TOUR 2016-2017「Are You Happy?」観覧記

妻が、携帯電話を紛失しました。嵐コンサートグッズのプレ販売で落としたのでした。年末の大阪0泊3日遠征*1から夫婦揃って風邪を引いた中、慌ただしくもどうにか乗り切った年末年始。はーやれやれ疲れたよ。さていよいよ嵐だ!いろいろと大変だったけど、ずっと楽しみにしてたライブ、楽しむぞ!Happyになるぞ!と思っていた矢先のことでした。

その日はグッズ購入もそこそこに、夫婦で*2携帯電話の捜索するも、結局見つからず。疲労困憊。とてもライブを楽しめる雰囲気ではありませんでした。

もちろん、携帯電話をなくした程度の話ですから、ライブに行くことに問題などありません。ちょっと不便なだけです。ライブに行けば、きっとそれなりに楽しむこともできます。ただ、少なくともこの時の僕たちは、見つけきれなかったショックもあり、とても沈んだ気持ちでした。

翌日、警察署から電話がかかってきました。妻の携帯電話が、拾得物として届けられているとのことでした。慌ててその警察署に向かい、携帯電話は無事に妻の手元に戻りました。本当によかった。これで心置きなくライブに行ける。前日の重い気持ちが、どこかに吹き飛んだようでした。

福岡公演の2日目。冷たい雨が降る日でした。しかし人の心は現金なもので、快晴のプレ販よりも遥かに心は晴れやかです。弾んだ気持ちで入場。「Japonism」のステージはその壮大さに圧倒されましたが、「Are You Happy?」のステージは至ってシンプル。それでも、どんな演出が飛び出すかというワクワク感が沸いてくるのは、嵐ならきっと楽しいものを観せてくれる、という信頼感ゆえかもしれません。

夜6時開演。スクリーンに映し出されたリハ風景に、思わず心が和みます。このあたりも前回と違って、少しリラックスした雰囲気の登場前。5人がしゃべってる、この空気感が、もう既に幸せ。1曲目の「Ups and Downs」が流れてくると、その程よくほぐされた緊張感と、明るくて爽やかなサウンドが相まって、なんとも心地よい気分。そして5人が乗った格子型のステージが徐々に降りてきて、ああそう動くんだ、っていう少し意外な動きをするのですが、その邪魔にならない意外さに期待感が煽られて、自然と心が高揚していきます。

僕が印象的に思ったのが、オープンカーを模したトロッコに5人が乗った「DRIVE」。僕たちのペンライトが街の風景になって、嵐がその中をドライブしていく。観客が演出の一部になれるってこんなに嬉しいことなんだ、そう思いながらドームを疾走する5人を見ていました。車が不意に停まり、「急なサプライズ」で打ち上がる花火。ドライブをしていて、思いがけず車から花火が見えたらきっと心が躍るよね。そういう僕たちのリアルな日常にある嬉しいことを、ライブの中に見たような気がして、それがまた嬉しさに拍車をかけました。

当たり前すぎず、さりとて大袈裟すぎない、絶妙にさりげない演出。綿密にコントロールされているんだけど、コントロールされている感じがしません。演出手法はこれまでの進化系で、嵐は比較的新しい演出を積極的に取り入れているとは言え、今回のライブではそこまで極端に目新しいものはなかった気がします。それでもわあっと驚かされるのは、演出手法自体ではなく、演出で作り上げたモノ、世界観が素敵だからです。何をやりたいかだけでなく、何を観せるか、どう伝えるか、どうすれば伝わるかを考えているよう。目の前で繰り広げられる1つ1つの光景を、嵐が丁寧に、細かい気遣いで作り上げたかと思うと、それもまたなんだか嬉しくなるのでした。

あと、全体を通してもう1つ印象的だったのは、嵐って本当に頑張る。よく踊る。たくさん動く。いろんなことをやる。質もさることながら、その量にも圧倒されます。相葉くんのソロなんて、もうそんなに頑張らなくてもいいよ、年末あんなに働いたじゃない、逆に頑張りすぎで心配になっちゃうよ、なんてつい思っちゃう。でも、最後に繰り出された華麗な宙返りを見て、もう頑張らなくていいよ、とうっかり思った自分を恥じてしまいました。すごいよ。参ったよ。もう信じられないくらい全力で、嵐は楽しませてくれます。5人とも驚くほど高いハードルを自らに課していて、それをきちんと観客の前でクリアしてきました。圧倒されるしかないそのサービス精神に、やっぱり嵐ってすごいなぁ、と感服するしかないのでした。…でも、お願いだから怪我しないでね。

もう、横綱相撲ですよ。これだけ実力も経験もあるグループが、これだけ全力でライブやったら、そりゃ強いですよ。

ああ本当に、本当に幸せな気持ちに満ちたライブでした。Japonismのときは張り詰めた舞台で、嵐も凛々しい姿が印象的でしたので、こちらも襟を正して観るような感覚でした。今回はその点、すごく無邪気に楽しめた気がしました。たくさん声をあげて*3、たくさん飛び跳ねて、たくさん笑って、たくさん感激して、たくさん手を振って。きっと、幅広い人が素直に楽しめるライブだったんじゃないかな、そう思いました。

僕たちにとっても、心晴れやかに臨んだライブは、格別に楽しかったです。携帯は無事だったし、嵐は最高だったし、もう本当によかったね、そんなことを妻と話しながら、冷たい雨の降る道を二人で歩いていました。と、不意に潤くんが最後の挨拶で言っていた言葉が頭をよぎります。「みんなにとって楽しい時間になりましたか?それが僕らのHappyです。」もしひっかかる気持ちを抱えたままライブに臨んでいたら、僕たちはいったいどんな気持ちでこの言葉を聞いていたんだろう。ふと考え込みます。

携帯なくした程度で沈んでた僕たちなんかより、大変な人なんてたくさんいます。それこそ、嵐も気にかけていたように、被災生活を送っている人もいます。さまざまな事情で何かを抱えたままライブに参加した人も、きっといるでしょう。それでもきっと、多くの人が楽しい時間を過ごしたのなら、僕たちの想いに嵐が応えてくれたように、嵐の想いに僕たちもきちんと応えたのかもしれません。嵐が全力で僕たちを幸せにしようとしているのだから、僕たちもきっと、楽しむ準備をきちんとしないといけないのでしょう。

楽しむ準備…それはきっと、日々の苦労もある中で、少しでも前を向いて、少しでも上を向いて、少しでも幸せになるために、毎日を頑張って生活することなんだろうな。日々をHappyにするために僕たちは生活していて、それを確認するために嵐のライブに足を運ぶのかもしれない。日々の生活があるから、嵐は楽しい。ああ、だから嵐は「Are You Happy?」って僕たちに問いかけているのかな?

明日からまた、頑張って生活しなきゃな。幸せのために。また嵐のライブを楽しむために。嵐の5人に背中を押してもらったような、そんな雨の帰り道でした。ありがとう。楽しかった。また頑張る。

*1:顛末はこちらにございます。感謝したいのはこちらの方だ/ジャニーズWEST 1stドーム LIVE「♡24(ニシ)から🎄感謝届けます♡」観覧記 - 君が好きだから僕は書く

*2:実際には、妻とプレ販同行していたお友達が、ずっと一緒になって探してくれました。本当にありがとうございました。今度美味しいものをたらふくご馳走します、妻が。

*3:風邪気味な上に、(翔くん)「男性陣、あけまして!?」(男達)「おめでとう!!」のC&Rで喉を使い果たしたので、何一つ声は外に出なかったけど、それでもたくさん声をあげたのでした。