君が好きだから僕は書く

恒松エントのブログとエッセイ

頂上から見下ろした先/ 「Sexy Zone presents Sexy Tour 2017 〜 STAGE」観覧記

Sexy Zoneライブ「Sexy Tour 2017〜STAGE」あっという間にツアー終わっちゃいましたね。なんだか文字通り、あっという間。会場数も公演数も少ないよね?福岡なんか1公演しかなかったんだよ?もう、信じられない!当たらなかったらどうしよう、って思っちゃったよ!

というわけで、4月5日マリンメッセ福岡、念願のSexy Zoneライブ*1に行ってきました!

思い起こせば、僕がファンクラブに入ったのが、ちょうど「カラフルEyes」のリリースが発表されたとき。もちろん、Sexy Zoneのライブに行きたい、Sexy Zoneを生で見たい、と思ったことがファンクラブ入会の理由です。ただ何より入会を後押ししたのは、5人のSexy Zoneが帰ってきたあの瞬間、ここからのSexy Zoneを見逃しちゃいけない、そう直感したことでした。きっとあの瞬間から何かが始まったと僕は思ったし、きっとその最初の形はアルバム「Welcome to Sexy Zone」であり、ライブ「Welcome to Sexy Zone Tour」だったと、今振り返っても思うのです。

ただ、彼ら5人の反応を見る限り、この最初の形は彼らが思い描いていた状況に至らしめていない、そう感じているように僕の目には見えました。確かに始まりは、あの瞬間でした。しかし始まりは、始まりにしかすぎなかったのかもしれません。あの始まりから1年、そしてすべての始まりから5年。「Sexy Zone 5th Anniversary Best*2」や「ROCK THA TOWN*3」の特典DVDで発せられた5人のポジティブで力強い言葉は、5人に戻った瞬間にはなかった、5人に戻ってからの活動で掴んだ自信の表れなんだと感じていました。

この1年で、そしてこの5年で、Sexy Zoneはずいぶん変わりました。成長しました。その結果が、きっとこのライブで見られるような気がする、そんな期待を目一杯抱えて、今回のライブツアーに臨みました。

とは言え、結構あれこれ考えながらライブに臨んでみたものの、いざライブが始まると、もう単純に楽しくて楽しくて。かっこいいとかわいいの大洪水でした。最初の登場の演出だけでテンション上がっちゃって。歌もダンスも、ひとつひとつがシンプルにかっこいい。そうかと思えば、かわいい曲ではしゃいだり、トークでゲラゲラ笑いあったり、着ぐるみや女装で盛り上げたり。あれもやるんだ、これもやるの?と、観ていて驚くほど盛りだくさんの演出でした。

そして、観客の年齢層が若いことも影響しているかもしれませんが、そのひとつひとつの演出に対する歓声が、尋常じゃなく大きかったです。純粋に、歓声の音量と周波数が高いんですよ。マリンメッセ福岡は特に歓声が響く会場ですので、その歓声の熱量、圧力のインパクトは凄まじかったですね。観客も本当に、ライブの演出を楽しんでいるんだな、と強く実感しました。

それにしても、不思議だなと思いました。演出がこれまでのツアーと大きく変わったわけではありません。以前からやっていた曲もたくさんありましたし、以前からやっていた演出もありました。曲の内容やアレンジがガラリと変わったわけでもありません。むしろ、このツアーに向けてオリジナルアルバムが出ているわけではないので、そういう意味では内容は大きく変わりようがありません。一見これまでのツアーの延長なのですが、それなのにSexy Zoneの今回の演出は、5年間の集大成を強く意識する内容でした。

5周年というタイミングなので、もっと懐古的な曲順を組むかとも想像しました。でも蓋を開けてみると、これまでのツアー同様、最初はまず今のSexy Zoneを表す曲で勝負して、ライブ自体をしっかりと盛り上げる構成でした。その上で、最後の「STAGE」で彼ら5人のSexy Zoneに対する思いを歌うことで、彼ら5人が5周年で至った心境、決意を逆に強く意識させられました。今一番いいと思えること、今自分たちにできる最大限のパフォーマンスをすることが、この5年間のSexy Zoneの集大成を強く意識させたのかもしれません。だから、これまでと演じる曲は変わらなくても、このライブでは1つ1つの重さが違って見えたのです。

実際、今回の彼らのパフォーマンスは、これまでのどのライブツアーよりもグレードが高く、一体感に溢れていたと感じました。そして何より、5人が本当に楽しそうにステージ上で躍動しているのが、すごく印象的でした。終始ニコニコと嬉しそうな5人を見ていると、こっちまで思わず嬉しくなりました。もちろん演出もすごくよかったのですが、この5人の表情、Sexy Zoneとしてステージに上がる喜びに溢れた表情が、一番の演出であり、5人がSexy Zoneとして一つになれたということが、この5年間の一番の成果だったと言えるでしょう。

このステージを観ていて、以前からそう思ってはいたのですが、やっぱりSexy Zoneの鍵って風磨くんなのかな、と個人的には思ったりしました。風磨くんがSexy Zoneとしてこのステージを演出して、共に歌い踊ることを、他の4人がとても嬉しく感じているように、僕の目には見えました。ケンティーなんか終始ニコニコしていて、Sexy Zoneとしてステージに立つ喜びが爆発しているようでした。もう僕の勝手な想像を走らせてしまって申し訳ないのですが、ケンティーはいち早くSexy Zoneに生きる決意を固めていて、きっと5人が同じステージに揃うのをずっと優しく見守っていたんだと思うのです。そして、このステージの演出を買って出ることで、最後にそのステージに揃ったのが、風磨くんなんじゃないかな、そう思えてなりませんでした。

実際に風磨くんの演出は、先にも書いたように、とにかく楽しく、Sexy Zoneの魅力に溢れたものでした。演出のまとまりや完成度という意味では、まだまだ荒い部分は多かったかもしれません。でも、あの出来うるすべてを詰め込んだステージは、何より風磨くん自身がSexy Zoneとして生きていく決意の現れだったと思うのです。だからこそ、風磨くんが演出した5周年のステージに意味があり、価値があり、それがどことなく伝わったからこそ、あの異様な高鳴りのような歓声が沸き起こったのでしょう。

風磨くんの演出を観て、彼はものを作ることも、そして壊すこともできる人だな、と思いました。ジャニーズとしての美しいステージを作ることができるトップクラスのメンバーが揃う中、彼の演出は、その良さを保ちつつ、敢えてそれを壊す部分を作ることで、新しいものを生む余地を与えているようでした。風磨くんはSexy Zoneというグループでは水面に石を投げ込む役です。ただ、これまではその石の投げ方が思わぬ波紋を巻き起こしたこともあったかもしれません。それがこのライブの演出では、それがどういう波紋を起こすのかを理解した上で、狙って石を投げ込んでいるように感じました。その石を投げ込む精度や、波紋の狙い方には成長の余地がありますが、きっと風磨くんがこれから多くの人と関わって成長することで、彼の演出はどんどん磨きがかかるんじゃないか、そんな期待を抱きました。そしてそれこそが、彼が言う、Sexy Zoneが頂上を目指す方位磁石になるんじゃないかと、やはり期待するのです。

このライブツアー「STAGE」に意味を見出すとしたら、5人がSexy Zoneとして生きる決意をしたこと、それに尽きます。さまざまな紆余曲折、さまざまな摩擦、さまざまな葛藤を経て、5人は5年という年月をかけて、この決意に5人揃ってたどり着いたのだと思うのです。5年かかってやっと、彼らは自分の意志でSexy Zoneになることができたのです。僕は、一番を取ることがすべてだとは思わないけど、Sexy Zoneには一番を取る資格があるんだと思いました。1年前、5人に戻った時に感じた僕の直感は、やっぱり正しかったと、このステージを観て確信に変わりました。才能を育んで、決意を固めて、5人一体となって、ただ前に進む、頂上を目指すだけの状態になったSexy Zoneは、きっと恐ろしく強いですよ。将来振り返った時に、Sexy Zoneが立っているであろう頂上からまっすぐ下を見下ろした先にあるのはあの「STAGE」だった、と語る日がいつか来ることを僕は夢見ています。

*1:昨年は急な出張で、泣く泣く「Welcome to Sexy Zone Tour」をキャンセルしたのでした。

*2:Sexy Zone 5th Anniversary Best (初回限定盤A)(DVD付)の特典DVD「Sexy Memories~僕たちの歩んだ5年の軌跡~ 」ですね。5人がホームパーティ形式で5年間を振り返ります。彼らの振り返るときの表情が、いろいろ乗り越えたいい顔つきをしていて、すごくグッときます。

*3:ROCK THA TOWN 初回限定盤B(DVD付)の特典DVD「Special Document Movie in Hawaii」ですね。ライブでもそうでしたが、5人が5人でいることをすごくエンジョイしている雰囲気が出ていて、観ているだけで嬉しい気持ちになります。ふまけんスライダーあり、勝利くんの涙あり、必見です。