君が好きだから僕は書く

恒松エントのブログとエッセイ

僕たちはひとりじゃない/NEWS LIVE TOUR 2017「NEVERLAND」観覧記

NEWSのアルバム「NEVERLAND」僕、大好きなんです*1。確かに好みがなかなか分かれる、インパクトの強いアルバムではあります。しかしアルバム「NEVERLAND」からは、描かれる独特な世界観以上に、何かを表現したい、伝えたい、そんな意図を感じていました。楽曲個々の出来の良さもさることながら、そんな何か思いが込められたようなそのアルバムの重みが、すごく好きなのです。

そのアルバム「NEVERLAND」を聴けばわかる*2のですが、このアルバムは実は「NEVERLAND」への「鍵」であって、真のNEVERLANDはライブにある、そう明言しています。NEWSが描きたい世界はライブにこそある。だとすると、ライブ「NEVERLAND」にきっと、NEWSが伝えたい特別な思いがある。アルバムを聴き終えたその瞬間から、もうライブに行くことが本当に楽しみで仕方ありませんでした。

NEVERLAND(初回盤)

NEVERLAND(初回盤)

NEVERLAND(通常盤)

NEVERLAND(通常盤)

というわけで、NEWS LIVE TOUR 2017「NEVERLAND」、ついに終わっちゃいましたね。楽しいライブだったなぁ。「NEVERLAND」を訪れたみなさん、楽しかったですか?あの楽しかった気持ちは、NEWSがわざわざ「NEVERLAND」で渡したかったプレゼントだったと思うのです。NEWSらしい、NEWSにしかできない、幸せでポジティブで、そして壮大なプレゼントだったと。

僕が「NEVERLAND」を訪れたのは、4/9のこと。もうあれから2ヶ月以上も経っているのに、あの会場に入った瞬間の異空間を、今でも鮮明に覚えてます。いや、もちろん、ライブ会場なのです。ライブが始まる前ですから、スタッフの方も準備をしているし、照明だって明るい。会場だってざわざわしています。でも、扉の中に足を踏み入れたその場所は、まさに「NEVERLAND」へと向かう人たちの待合室でした。

旅立ちの準備、蒸気機関の音、そして、案内人Mr.Impossibleのアナウンス。ライブが始まる前から、既に始まっている「NEVERLAND」への旅。ライブだとわかっているのに、ここはマリンメッセ福岡だとわかっているのに、それでも入った瞬間に異空間と錯覚するあの雰囲気が、今から向かう場所の特別さを感じさせてくれて、心が躍りました。会場のみんなも、もう始まる前から、ライブが始まったかのような楽しそうな顔をしているのが、とても印象的でした。

始まりを告げる暗転と共に、「NEVERLAND」行きの列車がやってきます。旅立ちのとき、否応無しに高まる期待感。僕たちがその列車に乗ると、歓迎の国歌「NEVERLAND」と共にNEWSが現れます。あの演出、本当に大好きだったなぁ。あのとき目の前に現れて、炎や水を操りながら歌い踊る彼らは、まさに「NEVERLAND」の創造主でした。あの目に焼きつくような光景から、ファンタジックで疾走感のある「アン・ドゥ・トロワ」で、手を引いて連れて行かれるような感覚*3、こっちにおいでよ、一緒に楽しもうよ、そう誘うようにも見えました。まるでおとぎの国のような演出なのですが、NEWSがそれを演じると、単に目の前に独創的な世界を作るというよりは、なんだか僕たちを巻き込もうとしているような、そんな気がしました。

アルバム「NEVERLAND」は、その世界観のユニークさが前面に出ているのですが、ライブとして「NEVERLAND」を見ると、逆にCDで聞いていたときよりも、歌の良さが一層伝わってきました。NEWSとしての歌の質が上がったと感じましたが、特にシゲの歌がすごくグレードアップしてるな、と聴いた瞬間に思いました。安定感や声量という意味でもそうですが、より歌に対して丁寧に向き合ってる気がしました。後で読んだツアーパンフレットでもそのあたりはシゲが意識している*4ようだったので、やっぱり意識は出るのかもしれません。個人的には、まっすーの歌声が今回のツアーでいちいち胸に刺さるくらい好きだったのですが、シゲの歌や、ソロでの表現も含め、彼の心意気がライブの質に大きく貢献していると感じました。

去年ライブ「QUARTETTO」を見たときに、NEWSはただ良い歌を歌うだけじゃなく、何かを作りたい、魅せたいんだ、そう感じたのをよく覚えています*5。それが1年後、NEWSにおけるライブの方向性が、こういうライブ「NEVERLAND」のような形で結実して、その結果逆にNEWSの歌の良さを認識することになったのだから、彼らの方向性は間違ってなかったのだな、と実感しました。ライブ「NEVERLAND」で表現の幅はかなり広がったかもしれませんが、NEWSの表現の核ってやっぱり歌だな、って僕は改めて思いました。

ライブに臨む前は、もっとショーっぽい演出になるのかな、と想像していました。確かにショーとしての完成度も高いものでした。ステージセットも細部まで凝っていて、NEWSの持つかわいい雰囲気を維持しながら「NEVERLAND」の世界を構築していました。Jr.のパフォーマンスも「NEVERLAND」の世界をすごく大切にした動きをしていて、幻想的な中にも、「NEVERLAND」という世界のリアリティを与えていました。その成果として、ひとつひとつの楽曲に情景があり、深く印象づけられました。僕はそのおかげで、心置きなく「NEVERLAND」の世界にのめり込んでいました。

ただ、最後に「U R Not Alone」を、NEWSと、そしてファンと一緒になって歌いながら、「NEVERLAND」はファンタジーなショーでありながら、やっぱりライブなんだなと強く感じました。独創的な世界観に誘い、めくるめく景色を魅せた上で、最後はその空間で一緒になって歌う。NEWSの声と僕たちの声が1つになることで、「NEVERLAND」は自分たちの世界になる。「NEVERLAND」という世界をただ作って与えるのではなく、感情を共有し体験を共有する場としての「NEVERLAND」を、きっとNEWSは作りたかったのかもしれない。会場に響き渡る歌声の一体感を感じながら、そんなことを考えていました。

NEWSとファンをずっと結び付けるための空間、それが「NEVERLAND」。だとすると、僕たちとNEWSが声を一つにして歌ったあの瞬間、僕たちはひとりじゃないと感じた、あの気持ちこそが「NEVERLAND」で伝えたかった気持ち。アルバム「NEVERLAND」という鍵を使えば、僕たちに寄り添うNEWSをいつでも感じることができる、そんな仕掛けを彼らは作りたかったのだと思います。

NEWSが「NEVERLAND」を建国した理由、それはただ単に壮大なファンタジーな世界を作って見せたかったのではなく、NEWSはファンと共にある、その気持ちを共有するのにふさわしい最高の場所を作るためだったと、僕は確信しています。「俺たちがそばにいるからな」小山くんはよく、ライブでそう僕たちに叫びます。その言葉を叫ぶのにふさわしい場所、その言葉を胸に深く刻むために必要だった印象深い世界、それが「NEVERLAND」だったのだと。

僕の「NEVERLAND」探訪から2ヶ月余り。その間にあるいは、雰囲気が微妙に様変わりするようなこともあったのかもしれません。でも、僕の中には変わらず、「NEVERLAND」への鍵があります。そしてその鍵に触れると、NEWSとファンが1つになったあの瞬間を思い出すのです。それは、NEWSが僕たちと共に築いたあの体験、あの感情に嘘がないことの証なのだと、今振り返って改めて思います。僕たちがひとりじゃないと感じたように、NEWSもきっとひとりじゃない、あの瞬間彼ら自身もそう感じることができたのだとしたら、「NEVERLAND」をこのタイミングで建国したことに、奇しくも大きな意味が生まれたのかもしれませんね。

お題「私のNEVERLAND」

*1:と同時に、ものすごく不満です。なんでこんな名作がもっと売れないんだ!もっと多くの人に、このアルバムを知ってほしいです!

*2:アルバム「NEVERLAND」Track.16「"To Be Continued...."」

*3:僕が見た公演では、手越くんがズボンを穿き損ねてて、手を引かれながらみんなで笑いながらズッコケちゃったのですが。…ま、ご愛嬌…かな。

*4:だからこそ、声が出なくなってしまった5月の名古屋公演でのシゲの悔しさも、なんだかすごくわかるような気がしました。

*5:四重奏が示すNEWSの未来/「NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTO」観覧記|ジャニヲタおじさんの日常雑感