僕が自分の意思で初めて聴いたラジオ番組は、「小泉今日子のオールナイトニッポン」でした。今から約30年前、僕が小学生から中学生にかけてのことです。大西流星くんはおろか、室龍太くんすら生まれてません。Hey!Say!JUMPなんて誰一人この世に存在してません。そんな昔の話です。テレビの中にいるアイドルは、僕にとって異次元の世界にいる人でした。でもラジオの中のアイドルは、僕にとって紛れもなく、生身の人間でした。当時僕がなんとなく好きだった異次元のキョンキョンは、ラジオを通じて、僕の大好きな生身のキョンキョンになりました。
僕はラジオが好きです。ラジオが持つ魅力はいろいろありますが、僕が実感として思うラジオの魅力は、話す人の本性がダイレクトに出てしまう点です。ラジオを聞いて好きになった人もいれば、そうでもなくなった人もいます。ラジオだからこそ知り得る本性が、そこにはあります。
というわけで、ジャニーズを改めて好きになった今でも、夜な夜なジャニーズのラジオ番組をよく聞きます。とは言えあれから約30年、僕も今や40代。キョンキョンのオールナイトニッポンを夜更かしして聴いていた頃のように、毎日毎日深夜ラジオを聴いてたら、体力がもちません。すべてのラジオ番組を毎回欠かさず聴くことは、なかなか難しいです。しかしそんな中にも、これだけはなんとか聞きたいと思う番組もいくつかあります。その筆頭格が「KちゃんNEWS」、NEWSのリーダー小山慶一郎くんのラジオ番組です。
「KちゃんNEWS」
パーソナリティ:小山慶一郎(NEWS)
放送日時:毎週火曜日 24:00すぎ〜24:30ごろ
文化放送をキーステーションに、全国ネットで放送。
(ちなみに福岡ではRKBラジオにて放送)
www.joqr.co.jp
海よりも深いNEWS愛。NEWSとそのメンバーに対する小山くんの深い愛情を、心ゆくまで堪能できる番組、それが「KちゃんNEWS」です。
番組は、小山くんと、メンバーもう1人が持ち回りで登場します。以前はいくつかのコーナーがありましたが、今は「普通のお便り(ふつおた)」のコーナーしかありません(個人的には「シゲほめ」のコーナーは好きだったけどなぁ)。実際「KちゃんNEWS」に関しては、テーマは何でもいいな、と今では思っています。コーナーがあってもなくても、小山くんとメンバーがサシで話すことで醸し出される2人の関係性、そのどれにも共通して感じる、強く深い愛、それが僕にとっての「KちゃんNEWS」の最大の魅力です。
シゲと話す小山くんからは、シゲという人をたくさん知ってほしい、たくさん共有したい、そんな気持ちが溢れ出ます。時には年上の彼女のように甘やかし、時には長年連れ添った夫婦のように信頼しあう。シゲと小山くんの濃密な関係は、NEWSの絆を象徴するようです。
テンションを最大限に張って喋り倒す手越くんの隣で、小山くんは頼もしく寄り添います。手越くんがはしゃげば、小山くんも一緒にはしゃぎます。手越くんが音を立てて回っても、小山くんは笑って見守ります。手越くんがポジティブな言葉を放てば、小山くんは後ろから背中をグッと押しします。手越くんと話す小山くんは、まるでNEWSの守護神のようです。
まっすーと小山くんの会話は、打って変わってグッと落ち着きを増します。まっすーが口にする強い想いを、小山くんはまっすぐ受け止め、理解し、自分の言葉で伝播させます。2人で想いを1つにするその様子には、戦友のような共闘感が漂います。
どこまでも情が深く、どこまでも優しく、どこまでも献身的。それが「KちゃんNEWS」を通じて僕が感じ取った、小山くんの本性です。彼の本性を知って、彼を嫌いになるなんて、僕には到底できない。
アイドルも生身になれば、いろいろあります。時には悲しい思いをしたり、複雑な気持ちになったり、違和感を覚えることもあります。それも含めて生身です。でも小山くんの生身の声には、驚くほど雑音を感じません。番組に身を委ねれば、安心してNEWSの「好き」を堪能できます。ラジオという媒体で小山くんが生身を晒しても、その偽りのない誠実さで「好き」を伝えてくれるから、それが理由だと僕は感じてます。
「KちゃんNEWS」は、小山くんの強い愛で成り立っています。それは、NEWSにとっての根幹です。小山くんが「好き」を訴えれば、それが聞いている僕の「好き」に変わります。僕はその愛を知り、小山くんのことも、NEWSのことも、とても愛おしくなりました。言うなればそれは、深夜の闇に広がる、海よりも深い愛の沼。沼の底から愛を高らかに叫ぶ小山慶一郎を、僕は今夜も沼の中で聴くのでしょう。