※この記事は、執筆時点で開催中である「ジャニーズWEST LIVE TOUR 2017 なうぇすと」の演出内容に多少触れています。観覧に影響のない程度の表現を心がけてはおりますが、ライブの詳細を少しでも知りたくないという方は、ライブ観覧後に本記事をご覧いただくことをお勧めいたします。
1月28日、福岡公演初日。はじまりは「ええじゃないか」からでした。セットリストの話ではありません。開演を目前に控えたマリンメッセ福岡、不意に流れてきたBGM。その曲が呼び水となり、自然発生的に湧き上がる歌、ペンライトの光、そして笑い声。デビュー曲であり、ジャニーズWESTのアイコンとも言える曲。その曲が流れてきた瞬間、声が、光が急速に一つになっていくのを目の当たりにしました。
ちょうど1年前、マリンメッセ福岡は、行く手を阻むような大雪に見舞われていました。そのときそこで起こった出来事を、本人たちの口からも含め、随分と耳にしました。もしかしたら、「あのときのように」という思いが福岡に集結したファンにあったのかもしれません。それでも、あの「ええじゃないか」に導かれるように、僕たちは声を出し、ライトを振り、笑いあって、きっとどこかで聞いていてくれるであろう7人に、この待ちきれない気持ちをどうにか届けようとしていたのだと思います。
なんでしょうね、まだステージ上に誰もいないのに、この幸せな気持ち。アリーナ、スタンド、360°会場が1つになって7人を待ち焦がれていたあの時間。この場に足を運んでくることができてよかった、心からそう思いました。誇らしくもありました。そしてきっと同じことを思ってくれていたに違いない、そう思わせるような雰囲気を、暗転後に現れた7人は漂わせていました。最高の形で始まったライブは、1曲ごとに会場全体が喜びを主張するような歓声に包まれて、それがまた会場のボルテージを上げていくような、そんな盛り上がりようでした。
一見するとシンプルなステージセット。その甲斐あってか、歌、ダンス、笑いといった彼らの持ち味を楽しむことに集中できる環境でした。ただステージの雰囲気が、照明などの特殊効果や小道具、そしてちょっとした音やダンスを使って、なめらかにギアチェンジをするように、巧みに変わっていきました。
ジャニーズWESTの曲は、かっこいい曲、かわいい曲、面白い曲、その振り幅がとても大きいです。一歩間違うと雰囲気が曲ごとに分断されてしまうでしょう。でも「なうぇすと」の場面転換は、絶妙なんですよね、バランスとつなぎが。雰囲気を壊さず、ほどよくガラリと変えて、心地よいギアチェンジを繰り返していく。僕たちは、その彼らのコントロールに身を任せていればそれでいいんですよね。
その安定したステージング、そして開演前から繰り広げられたステージと観客による気持ちのぶつかり合い、それらが相乗効果となってライブに一体感を生んでいました。自分がその一体感の一部になっていることもまた、嬉しかったりしました。やっぱりジャニーズWESTのライブって、技術と感情の、その両方がハマると爆発的に面白くなるよね。そんなことを思いました。そういう意味では、本当に理想的な展開のライブでした。
さらに、今回の演出では(詳細は説明しませんが)いろいろなことにチャレンジしているのも印象的でした。すごく成長することを意識していて、その目線の高さも彼らのいいところだな、って改めて思いました。例えば神ちゃんや小瀧くんのチャレンジは、技量的にはまだまだ努力の余地があります。でも、彼らが物怖じせず、自分の手で楽しませようとするその姿勢が、大事なんです。だって、一生懸命楽しませようとする姿って、やっぱり見ていて嬉しいじゃないですか。一定レベルを保とうとしたときにチャレンジって難しいことも多いのですが、ライブという場で上手に楽しませつつチャレンジを実現していくところも、ライブ巧者だなと思いました。
そうそう、今回のライブ、淳太くんのセクシーが随所に炸裂していて、会場から何度も悲鳴があがる場面がありました。アルバム「なうぇすと」を聞いたときに、今までよりもグッと大人っぽいなと感じたのですが、今回のライブでは、今までよりちょっと大人っぽい色気というか、男っぽいアピールポイントがたくさん見られた気がします。ああ、ジャニーズWESTって男っぽいグループだなぁって。ジャニーズWESTと同世代グループのライブと比較しても、観客の男性比率は高い方だと思います。女性から見て訴えかける男らしさがあるのはもちろん、男が見てもかっこいいと思う男らしさがあるのは、彼らの大きな長所です。そういう姿がもっとライブで見られるといいな、と男のファンとしては強く思うのでした。
ああ、もう、本当に楽しかったぁ!京セラドームから1ヶ月しか経過してない状況で、しかも公演時間がちょっと短めだったにも関わらず、これだけの充足感を与えてくれたこと、それでまた彼らを信じられる、ついていける、そう思えるライブでした。
ジャニーズWESTは、高い技術と、熱い気持ちを持ったグループです。技術を高める原動力は、彼らのたゆまぬ努力です。でも気持ちを高める原動力は、やっぱり応援する人の声なんじゃないか、そう思うのです。ましてや、とても正直でまっすぐな7人です。彼らは、まっすぐに好きだという気持ちにこそ、全力で何倍にも応えてくれます。開演前に歌えばいい、というわけでもないでしょう。大事なことは、ライブでどれだけ大きな声を出すか、ライブをどれだけ真剣に楽しむか、ステージに立つ彼らみんなにどれだけ楽しいという気持ちを形にして伝えるか、それに尽きると思うのです。
本気で好きならば、力の限り好きだと叫ぶのです。そうすればきっと、虹は強く光輝くでしょう。
福岡の「なうぇすと」、ジャニーズWESTと、あの場に居合わせたたくさんのジャス民と、最高のライブを作れたことが、本当に嬉しかったです。でも、まだまだツアーは始まったばかり。明日からのライブも、そして来年も、再来年も、その先も、彼らがライブで最高のパフォーマンスを発揮するために必要なこと、それは、純粋にジャニーズWESTが好きだと伝えること、それしかないのです。求めたければ、まずは与えることからだよ。
これから観に行くみんな!もうめっちゃくちゃ楽しいライブだから、好きだという気持ち、しっかり態度に出して、ステージ上のみんなに伝えてきてくださいね!彼らもきっと、その気持ちを待ってるはずだから。