君が好きだから僕は書く

恒松エントのブログとエッセイ

Endless SHOCK 2017の映像化を望むただ1つの理由

Endless SHOCK 2017、本日無事、大千穐楽を迎えました。帝劇を含めると延べ4ヶ月に渡った今年のSHOCKが、とうとう終わりを告げました。…名残惜しいですね。キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当におつかれさまでした。そして堂本光一くん、今日も最高のステージ、本当にありがとうございました。

博多座は2年ぶりの公演でしたね。博多座から徒歩数分の場所に勤務する僕としては、待ちに待った公演です。もちろん毎日観ることなんてできないけど、あの大看板を観るたびに、ああ今彼らはここにいるんだな、今年の最後のSHOCKがここで行われているんだな、そんな体温が上がるような気持ちになりました。

今日を終えると、カンパニーのメンバーは皆福岡を離れ、あるいはSHOCKを離れ、きっと次の新しい仕事へと向かうのです。その彼らの次のスタートがこの福岡から始まると思うと、名残惜しくはあるものの、同時に喜ばしい気持ちにもなります。

さて僕は今回、幸運にも博多座に2回観に行くことができました。何度観てもすごいですね、SHOCK。僕の記憶にあるSHOCKの印象を、観るたびに超えてきます。ここでフライング、ここで階段落ち、ここで群舞、1つ1つの場面は覚えているはずなのに、観るたびに不思議と新鮮な驚きと感動があります。1500回以上繰り返してもなお面白いというのは、当然積み重ねてきた人たちの努力の賜物でもあるでしょう。ただ同時に、この舞台の根本となる「常に衝撃を与える」というコンセプト設計が優れていたという証だとも思うのです。改めて、長く続けていくのにふさわしい舞台なのだと感じました。

博多座の公演で特に印象的だったのは、キャストそれぞれが本当に舞台上で生き生きしている点でした。コウイチはもちろん、ウチもリカも、後輩のキャストも、そしてビバリさんや他のダンサーさんも、今回はすごく個性を感じたように思います。歌っても踊ってもいなくても、動きを観ているだけでも本当に見応えがあったな。

カイトなんか見れば見るほどいじらしいんですよね。ダンスの動きも、歌うときの表情も、帝劇のときよりさらに1つ1つに見応えがありました。あとカイトは立ち姿ひとつ取っても、松倉海斗ではなくちゃんとカイトなんですよね。ウチに傘を差し出すシーンはカイトの真骨頂で、彼の2年間の集大成だと思いました。

ゲンタは帝劇よりも遥かに、舞台上での存在感を感じました。ダンスは元々目立つものがあったけど、博多座では歌でもダンスでもない場面での演技にゲンタとしての人格を感じました。特に楽屋や街のシーン、いろんな人と談笑したりふざけたりする姿は、松田元太のいい持ち味がゲンタに移っていたようでした。ショーの時に見せたキリッと力強い表情も、すごくよかったな。

テラニシは随所でクレバーな演技を見せてくれました。ポジション的に持ち味を出しにくい役だと思うのですが、与えられたポジションで独自の持ち味を出せるあたり、やっぱり彼は頭がいい。ダンスは帝劇の時よりもさらに、SHOCKらしくなりましたね。彼はいろんなダンスができるので、こういう長い期間SHOCKのダンスを踊る期間を経て、これからのダンスがどう進化していくか楽しみですね。あと槍で貫かれるシーン、魅せ方を意識しているのが伝わってきて、大好きでした。

タツミ、コシオカ、そしてハマナカ、この3人はコウイチやウチ、リカやオーナーとの絡みも多く、ストーリーの方向性を明確にする役目を担っていたように思います。特にウチと3人との関係性は今回のSHOCKでの絶妙なスパイスになっていて、あれでウチのキャラクターがすごく広がったように感じました。明確にセリフを喋らないような場面でも、些細な動きや表情だけで会話が成立するんですよね。3人とも、演技が本当にうまくて細かい。ふぉ〜ゆ〜も文ちゃんも、これからきっと役者として活躍するはずだから、演技でSHOCKに貢献してくれたのがすごく嬉しかったな。でも文ちゃん、歌もやっぱり素敵。ああ、SHOCKでもっとソロを聴きたかった。辰巳くんと越岡くんは、ステップが本当に華麗。あと、足めっちゃ細くて長い。

そして今回の博多座でのSHOCKで僕が一番見応えを感じたのは、コウイチとウチ、リカとオーナーの会話劇でした。帝劇の時に観たコウイチの人間らしさ、それが今回ウチという存在によって、さらに人間らしくもがき苦しんでいたように思いました。リカ役の松浦雅さんは、言葉の発し方、重みの出し方が本当に素晴らしく、コウイチ、ウチ、そしてリカの三つ巴の感情のぶつかり合いが、実は劇としてのクライマックスだったんじゃないかなと思えるほどでした。ショーに全く引けを取らない劇部分の迫力が、今回のSHOCKの最大の進化だったと僕は感じています。

今年は帝劇のヤラ版も観ることができたのですが、ライバルがヤラからウチに変わったことで、まるで帝劇とは別のシナリオを観ているような印象を受けたことは、僕にとって驚きでした。

ヤラはコウイチにとって、そしてカンパニーにとっても孤高のライバルでした。俺の方がもっとできるはず、俺がコウイチを超えられないわけがない、自分がコウイチを超えて一番になるという執念が、ヤラにとっては原動力だったように思います。しかしウチはコウイチにとって、まるで弟のような、そんなライバルに見えました。コウイチを超えたいと思うウチの心の裏には、コウイチに認められたいという思いが強くあり、コウイチを愛するが故の拗れたウチの愛情表現が根底にあったように感じました。

話は急に変わってしまうのですが、実は今年、内博貴くんの出演する舞台「コメディ・トゥナイト!」を観ました。そのときの内くんが、それはそれはまぁかわいかったんですよ。

演技というものは、演者とは全く違う人格を演じたとしても、見た目も含め、その人の性格や考え、そして人生が滲むもの、というのが僕の考えです。ウチはそういう意味で、内博貴という人が持つ天性の可愛らしさが滲んだライバルなんですよね。そう言えば帝劇で行われた今年のSHOCK開催直前の会見でも、光一くんが昔の屋良くんのことを「ちょっと擦れた子だった」「芯の強い部分があった」と評してましたね。ウチがそうであったように、ヤラもまた屋良朝幸という人を投影したライバルなのかもしれません。

そして、このウチが愛情を拗らせれば拗らせるほど、博多座のSHOCKは、帝劇のSHOCKとは違う色を帯びていくようでした。後輩のカンパニーメンバーはもちろん、リカも、そして不動の存在とも思われたコウイチやビバリさんでさえ、帝劇とはまるで違う表情を見せてみました。このヤラとウチの違いを浮き立たせていたのは、単なるキャストの違いではなく、キャスト全員が演技の表現を深く掘り下げた結果なのだと思うのです。

SHOCKを長く観てきた人からすると、もしかしたらこれまでもそうだったのかもしれません。ただ、こうして同じ2017年のSHOCKとしてヤラ版とウチ版を見比べると、ライバルが違うだけでこれだけ印象に違いが出るくらいに個々の演技が深かったな、と思うのでした。

さて、僕は今すごく強く思っていることがあります。

ジャニーズエンタテイメント様、「Endless SHOCK 2017」どうか、どうにか、なんとか、映像化していただけませんでしょうか?

いや、もちろん毎年映像化してほしいですよ。キャストだって毎年変わるし、変わらないキャストだって年々演じるものが変わる、何よりSHOCK自体が毎回進化する。その時々で映像化する意義は当然あるでしょうし、きっと出たら毎年買う人も多くいるでしょう。とは言え舞台は本来生で見るものであり、やはりあの全身全霊のショーは映像ではなく生でないと本当の凄さは伝わらない、と思うのも事実です。でも今年のEndless SHOCK 2017、僕には映像化して残してほしい決定的な理由が、1つあるのです。

SHOCKのショーは、本当に凄みがあります。コウイチを筆頭に、全身全霊で表現するショーだからこそ、単なるダンスやアクロバットに止まらない面白味がそこにはあります。それはきっと、SHOCKにとって普遍的なものでしょう。ショーにショー以上のものを表現することができるからこそ、そこにシンプルにストーリーを乗せることで、オリジナリティあるエンタテイメントとして融合するのだと僕は思っています。

だけど今年のSHOCKを僕は、ショーとしてというより、むしろ劇として観ていたように振り返ります。いや正確には、ショーを超えたショーを残しつつ、さらにそれをストーリーが大きくまとめて、1つの巨大な作品に仕上げているようでした。

つまり今年のSHOCKには、演技、表現という要素が大きくベースにあるのです。ショーはとても衝撃的ですから、やはり生で見る凄みを超えるものはありません。しかし、今回のSHOCKの演技は、何度も見て、その深みを味わいたくなるものがありました。

これが、僕ですら帝劇を入れて3回しか観ることができませんでした。普通3回も観ることができたら、十分贅沢だと思うのです。でも、あの演技を堪能するには、3回なんて全っ然足りない!3回も観たはずなのに、あの会話の裏でどういう表情をしていたのだろう、あの空間に別の物語があったかもしれない、きっと映像で観たときにまた違う発見があるはず、そう強く思うのです。

今年のSHOCKは、映像化してでも観る価値のある演技の深さがある。これが、これこそが、僕が「Endless SHOCK 2017」を映像化してほしい、ただ1つの理由です。

1500回という記念も確かに大事です。あの素晴らしい全身全霊のショーを、映像でも残してほしいというのも事実です。でも何より今年のSHOCKには映像化して繰り返し観るに値するだけの深い演技があり、そして今回のキャストはその演技を彼らのキャリアの記録として残すのに値するだけのキャストであった、そう感じているのです。

…いや、熱く映像化を望んで観たものの、もう今年のEndless SHOCKは終わってしまったので、映像化しようにもできない、って言われたら元も子もありません。それでも、映像化してでも今年のSHOCKは観る価値がある、というのが僕の今年のSHOCKの一番の感想です。もうなんだったら、スマホの録画でもいい(おい)*1。…ああ、やっぱり名残惜しいですね。このキャストで作るEndless SHOCK 2017は、もう観られないかもしれないのですから。あ、できればヤラ版とウチ版、両方セットで。この2種類のパラレルストーリーを、ぜひ映像で何度も見比べたいです。帝劇もよかったけど、博多座もそれだけよかったんだよ!

改めて、今年の「Endless SHOCK 2017」本当に素晴らしかったです。そしてきっともう、それぞれのキャスト、スタッフは、次に向けて動き出そうとしています。でも僕はまだまだ、映像で何度も見直したいと思うほどに、2017の余韻の真っ只中です。今年のEndless SHOCKが、参加したキャスト、スタッフ、そしてEndless SHOCKそのものにとって、大きな意味のある年になればいいな、ともう少し余韻を噛み締めながら願いたいと思います。

きっと映像化されると信じて。それまでは、これで脳内再生しながら我慢。

KOICHI DOMOTO Endless SHOCK Original Sound Track (通常盤)

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  • アーティスト: 堂本光一,六ツ見純代,馬飼野康二,ha-j,吉岡たく,船山基紀
  • 出版社/メーカー: ジャニーズ・エンタテイメント
  • 発売日: 2006/01/11
  • メディア: CD
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KOICHI DOMOTO 「Endless SHOCK」Original Sound Track 2

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*1:いや、盗撮とかそういうのじゃなくて、スタッフさんが記録用に撮ってるやつで…。