君が好きだから僕は書く

恒松エントのブログとエッセイ

今、僕の活力となるジャム/関ジャニ∞「ジャム」

ここ数ヶ月なかなか忙しい日々を送っています。1日の仕事がどうにか終わり、疲れて、電車や特にはタクシーに揺られながら、ふと「ジャム」を聴くことがよくあります。「ジャム」を聴くと、ああ頑張んなきゃな、そんな気持ちに不思議となります。ふと緊張がほぐれるような、重い気持ちが軽くなるような、そんな切り替えのスイッチが働きます。僕も今いろいろと大変な時期だったりしますが、いい時期にいいアルバムに出会えてよかったな、日々そう思いながら「ジャム」を聴いています。

手を伸ばせば、すぐそこに「ジャム」がある。日常の生活に馴染み、当たり前のように手に取ることで、人知れず活力を与えてくれる。今、僕にとって「ジャム」はそんなアルバムになっています。

もちろん「関ジャム」という番組があっての「ジャム」なのでしょう。でも改めて思うと「ジャム」ってすごくいいタイトルですね。ジャムセッション*1という言葉の音楽的な意味もさることながら、アルバムのジャケットにもある果実を凝縮したあの「ジャム」がこのアルバムに連想させる意味、雰囲気が僕はとても好きです。

ジャムって、フレッシュな果実を煮詰めて凝縮していくじゃないですか。その煮詰めていく工程が、彼らの音楽に対する姿勢を示しているようにも思えます。このアルバムの生命力に溢れているところも、「ジャム」というタイトルに繋がっている気がします。「ジャム」という言葉が思い起こさせるいろいろなことが、このアルバムの意味を深いものにしているようで、とても大好きです。

収録曲について言えば、僕は圧倒的に「今」が好きです*2。もう少し言うと、「今」から「DO NA I」になだれ込んでいくあの流れが、最高に好きです。「今」という曲には心の曇りを晴らす力がある、僕はそう感じています。爽やかでいて、どこかほろ苦いリアリティ。白々しくないあの曲の世界観があるからこそ、心に刺さるものがある。僕は勝手にそう考えています。「罪と夏」で助走をつけて、「今」で心を持ち上げてもらったところで、「DO NA I」のリラックスした楽しい気持ちになる、あの流れで曲を聴くだけで、どれだけ心が晴れやかになったことか。

「今」と「DO NA I」については、「関ジャム」で曲ができるまでを見ることができたことも、僕にとっては大きかったかもしれません。振付稼業air:manさんの迅速なのに意義深い振付とか、蔦谷好位置さんといしわたり淳治さんが互いに思いを確認するように曲を作る姿とか、それを興奮しながら受け取る関ジャニ∞の様子とか、本当にワクワクしました。

あとこのアルバムは豪華な楽曲提供陣に負けないくらい、メンバーが作った楽曲がものすごくいいんですよ。痛快で、力強い。あれだけ実績のあるミュージシャンが参加して、これだけ個性的な楽曲が揃っています。正直、つまらない曲が入っていたら、明らかに浮いてしまうラインナップです。そこにメンバー自身が作った曲が、真っ向勝負しているのです。その心意気が、メンバーの曲に表れている気がします。僕はやっぱりすばるくんの歌が大好きなので、「生きろ」みたいな歌で押せる曲が入ってると嬉しいです。何よりメンバーが作る楽曲は、どれも音楽が好きという感情に溢れていていいですね。

「ジャム」を聴いていると、本当に楽しい気持ちになります。音楽の一つ一つに、いろいろな感情が芽生えます。それはこの「ジャム」に収録された曲が、きちんと奥深いからなのだと思います。きっと関ジャニ∞のことを思いながら書いてくれたであろう、プロフェッショナルたちの曲が持つ奥の深さ。それを関ジャニ∞が真摯に音楽に向き合うことで応えた、その成果が「ジャム」というアルバムと言えるでしょう。そしてその深さ、濃密さをアルバムという形で表現しきったこと、それこそが関ジャニ∞が音楽を武器としてさらに大きな存在になっていくという宣言だと、僕は思うのです。

関ジャニ∞はもうある程度完成されたグループだと、「新年会」を見るまでの僕はそう思っていました*3。彼らの「新年会」を見て、それは違うと感じました。現状を超えたい、もっと大きな存在になりたい、関ジャニ∞はそう思っているのだと理解しました。大きな存在になる、それはきっと多くの人ひとりひとりにとって大きな存在にならないといけない、そういうことなのでしょう。そしてそのための手段、関ジャニ∞にとってそれは音楽であり、それを形として示したのがこの「ジャム」なのだと言えます。

このアルバムを聞いたときに、これは「新年会」の答えを提示しているのだと僕は思いました。いい音楽で多くの人に活力を与える存在になりたい。「ジャム」というアルバムは、僕たちの生活と当たり前のように一体化することで僕たちの心に浸透していく。それによって、関ジャニ∞という存在が僕たちの中で大きくなっていく。そんな彼らの思いを形にしたアルバムだと、僕は思うのでした。

関ジャニ∞が既に出来上がったグループだなんて、とんでもない僕の勘違いでした。彼らは、いい音楽とともにどこまでも成長する。同じところに留まることなく、常に変わり続け、成長し続ける。あらゆる音楽を取り込み、あらゆる人を取り込む。そんなグループに関ジャニ∞はなろうとしているのかもしれません。

いい音楽に出会うことができる真摯な態度、いい音楽を奏でることができる確かな技術、そしていい音楽を正しく伝えることができる深い人間味、これこそが関ジャニ∞の大きな武器です。この武器を最大限に使って、彼らが目指すもっとかけがえのない存在に少しでも近づいてほしい、そう願っています。冷蔵庫を開ければ、いつでもそこにある「ジャム」のように。彼らの音楽が、多くの人にとって日々活力を与える存在であるように。

ジャム(通常盤)

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ジャム (初回限定盤A)(DVD付)

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ジャム (初回限定盤B)(DVD付)

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*1:複数のミュージシャンで行う即興演奏のことを、ジャムセッションとか略してジャムと言ったりします。

*2:元々「nise akira」こと星野源さんが好きだったので、その影響もあると思います。なので多少の贔屓目もあるかもしれませんが、それにしても佳曲だと思います。

*3:僕は大きな勘違いをしていたかもしれない/関ジャニ∞「なぐりガキBEAT」新春特盤「7人だけの新年会2017」 - 君が好きだから僕は書く